ローズ・イン・タイドランド

3年ぶりに観た。
現実が妄想に浸食されていくのではなく、逆にローズの空想に現実(=父親の死体や覗き見た隣人のセックス)が混入していく。しかしそれらすらも素材として取り込んでいく少女の空想の強度。ローズは父親の死体に化粧を施し、ブロンドのかつらを被せて遊ぶ。また隣人には魔女としての役割を与える。彼女はそうして閉ざされた世界を充実させていく。
ラストのカタストロフは物語としては予定調和ではあるが、炎上する列車の脇で平然としているローズ役のジョデル・フェルランドの名演技を観よう。たかが列車を爆弾で破壊することを「世界の終わり」と呼んでしまう陳腐な発想に彼女は見向きもしないのだ。

ローズ・イン・タイドランド [DVD]

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